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執筆者の写真orutanafamily

当事者講話「オンリーワンな生き方~当時者の生き方って?」 ”働くADHD サラリーマン” メイプルさんの、第2回当事者講話を開催。

「オンリーワンな生き方~当時者の生き方って?」

”働くADHD サラリーマン” メイプルさんの、第2回当事者講話を開催しました。

 26歳でADHD ・ASDの診断を受けて十数年。ご自身の特性と向き合いつつ、職場に公表して働く挑戦が続いています。

「私、マイペースなんです」と語り始めるメイプルさん。

生きづらさのため、これまで自己評価が低かった。しかし周囲の人に聞いてみると、

「それほど悪くない?」「自分は終わっていない?」

と思える自分の良さに気づいた。

自分の苦手なことのみならず、良さや得意が客観的にわかると、仕事でのアピールの仕方が変わった。

「業務分担してもらえると自分も活躍できます」

「サポートがあれば△△できます」

と言葉で伝えていく。

 服薬の効果については「自分らしさ」との葛藤があった。特性は芸術・発明の原動力ともなる。

また「無理して集中力を上げると、あとでどっと疲れがきてしまう」。

一方、精神的な波は安定しトラブルが減った。睡眠の質が向上し、今まで気づかなかったことに気づく。

だから薬は、仕事をしていくためにベターな選択肢だと感じている。

 日本人には”恥の文化”が根づいており、時に障害が理解されず悲しい思いもする。

人工肛門をつけた知人から、「障がい者用トイレに入った時に、周りから白い目で見られた…」と聴いた。

そんなストレスは「一人でためこまずに吐き出そう!」

”はけ口の確保”もスキルの一つ。仕事・恋愛・家のこと…それぞれの話題で話せる複数の友人のリストを、ご自身は”ホットライン”と呼ぶ。

「一人に負担をかけず、ローテーションで話を聞いてもらいます」

 ご自身のバッグには「ヘルプカード(配慮の必要性を周囲に知らせる)」がきらりと光る。

言葉で、文章で、マークで…目に見える段差や壁だけではない見えない困難を、可視化していく取り組みです。

メイプルさんは「受援力(助けを求める・受ける力)」をつけていく大切さを強調されました。

また、リラックスの方法も紹介してくださいました。

自分の心のケアやごほうびとして、休日12時間寝る・好きなアイドルのDVDを見る・コンサート・小旅行といった

ちょっとした楽しみ~時には大きな楽しみを用意する。

目標がはっきりすると安心して進めるとのこと。

また仕事で自己実現できなくても、別のことに置き換えてストレスを減らすこと(置換)は出来る。

メイプルさんはボランティアや当事者会でも活動しているそうです。

仕事(やるべきこと)と癒し(気分転換やストレス発散)をセットにして計画を立てることは、どんな人にも役立つのでは…と思いました。

 ~会場からの意見や質問に答えてくださいました~

〇「イレギュラーにどう対処されているか?」

→何事にも「かもしれない」「もしかすると…」を、頭の隅に入れておく。経験値でだんだん予想を立てやすくなる。

 いざそうなったら「やっぱり!」「きたー!」「よし」と対処できる。

〇「見た目が“ふつう”だと、『もっと出来るのでは』とみられてつらい。

→「伝える力」を磨いていく。自分の”トリセツ”を作り上司に渡す。あるいは前もって、自分の困難を相手に伝えるとよいのでは。

たくさんの気づきやアイデアをいただいた2時間でした。

メイプルさんの挑戦を心から応援し、自分事としてしっかり関わっていきたいと感じました。

貴重なお時間をありがとうございました! 


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