「社会人講話・くまもと県民カレッジ認定講師 山本 德雄 様」
熊本市北区徳王にある就労移行支援事業所ココロの学校オルタナ定期開催「社会人講話」の講師として、くまもと県民カレッジ認定講師の山本德雄先生をお招きしました。
『春に発つ!希望を胸に!』
のテーマで、たくさんの言葉を紹介しながら、私たちの発する言葉の大切さ・話し方について熱心に語ってくださいました。
まずは先生の遠い日の出来事から、お話は始まります。
1964年10月、新聞で東海道新幹線の写真と開業のニュースを知ります。
「もしもなれるなら、運転士になりたい!」
と一念発起し、熊本の高校の鉄道科に進学。
しかし就活では不採用が続き、落ち込む日々。 ようやく担任の先生が、遠く神奈川にある操車場での雑用のアルバイトを探してくれました。
「ハイッ 行きます!」
出発の日。列車に乗り発車のベルが鳴る中、見送りに来てくれた恩師は
「挑戦を続けよ。辛かったら俺の名を叫べ。続けているうちは成功だ。夢を諦めるな!」
その言葉に奮起しつらい日々を乗り越えて、11年後には夢の新幹線運転士になりました。
“言葉は人生を変える”
と先生は言われます。
次のエピソードは、熊本地震での出来事。
あの日、皆が命からがら避難した。避難所には足の踏み場もないほどの人々が…
そこへ少量の差し入れが届きます。
「数に限りがある。先着順で」とアナウンス。
そこへ初老の男性が立ち上がり、話し始めます。
「私達は昨日から、生きるか死ぬかの瀬戸際で共に過ごしてきた仲間。ここで先着順は悲しい。車イスの方や小さな子どもを連れた母親もいる。この人達は素早く並べるだろうか。」
「この人達から配るのはどうか?」
すぐに拍手が起きたといいます。
先生にとって、一生忘れられないプレゼンになったそうです。
『うばい合えば足らぬ
わけ合えばあまる』(あいだみつを)
『愛の反対は…無関心と孤立』、『笑ってあげなさい。笑顔は人間に必要なのです』(マザーテレサ)
よい言葉の数々が、私たち聴衆の心に響きます。
そしてもうひとつのエピソード。
東京大学の入学試験日に、高校生が受験生を刺した事件。新聞にある男性の投書が載りました。
「遠い昔、自分も受験に失敗した時絶望して家を出た。
遠くの町にたどり着き、話をした人が宿を紹介してくれる。出てきた女将さんが、
”ああ、寒かったね。お風呂にお入り“
と声をかけてくれた。人の言葉の温もり、風呂の温かさがグッと心にしみた。その後自分は、再び挑戦する力を得た。
(事件を起こした)彼が
絶望した時、心の叫びを聞いてくれる大人はいなかったのか?」と。
山本先生は言います。
「必要な時に必要な言葉を」
「あなたには、あなたにしかかけられない言葉があります」
苦しみを知る人には、苦しんでいる人への言葉があるということでしょう。
さて後半、聴衆にも出番が回って来ました。
演習で一人ずつ自己紹介をします。
先生のアドバイス!
〈人前で話す時のコツ〉
1. 話す前に、背筋を伸ばし胸を張る
2. 笑顔を作る
3. 人の評価を気にしない!
〈自己紹介の基本〉
①. 名前
②. 好きなもの・趣味 ③. 締めの言葉「こんな私ですが、よろしくお願いします」
さぁ挑戦です!(*^-^)
参加者の皆さんがドキドキしながら、思い思いのプレゼンをしました。
先生は一人ひとりの話によく耳を傾けて、温かい言葉をくださいました。
お話は終盤に。
列車の運転士らしく「まもなく~終着駅です~」
「花に向かって“綺麗ね”と言うと長持ちします。”消えろ“と言うと枯れます」
「言葉には魂が宿るので、ぜひよい言葉の案内人になってください」
と締めくくられました。
山本先生、思いやりの心と魂に響くたくさんの言葉を、本当にありがとうございました❗
早くも次回の講話を望む声が… o(^o^)o
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